5月も終わりに近づき、昨日は一日中雨降りの日でした。今日はうって変わっての晴れのお天気。こんなことの繰り返しで夏に向かっていると思うと自然の力をあらためて感じます。こんな季節の午後、聴きたくなるアルバムを今日はあなたへお届けします。私の大好きなアルバムの中の一つです。ブラジルのギタリストLuiz Bonfa の名作。全曲ソロギターなのですが、シンプルなのにギターの音色の美しさと彼の展開するアプローチの繊細さに心打たれる想いです。なんと言うのか…不思議な世界、でも魅力ある素敵な世界へ連れ出してくれて、日常のいろんなもやもやから解き放してくれる…そんな感じです。静かにゆっくりと時間が流れていく仕事の入っていない日の午後、このアルバムを聴きながら過ごしている時間が凄く好き。どの曲も全て大好きなのですが、今日はその中から『Concert to For Guitar 』この曲を聴いてください。極上の音色とはこのこと…と感じる名盤です。あなたにもこの曲と一緒にゆっくりと穏やかな時間が流れますように…。

初夏を感じる爽やかな日が続きましたが今日はいよいよ梅雨を感じる空模様です。日本の梅雨の雨はジメジメとして嫌い…と言う方もたくさんいらっしゃるようですが、私は雨というモノ自体がけっこう好きです。特に夏の通り雨のようなモノよりしとしと降り続く雨がもたらす空気がなんだか落ち着いて考え事ができて、本を読んだりするには最高…傘に落ちる雨音も穏やかな気持ちにさせてくれます。今日はそんな時間に似合う曲をあなたへお届けします。『The Gentle Rain 』。ブラジルのギタリストLuiz Bonfa 作曲の素敵な曲です。今回はオーストラリアのフルート奏者Don Burrows との共演アルバムからのヴァージョンです。雨は私達人間も含めたこの地球に生きる生き物にとっては恵をもたらしてくれる素晴らしい現象…そう思うとなんだか雨の降る日もちょっとした小さな幸せを感じます。さあ、今日はこの曲を聴きながら雨が降りそうな空気と一緒に静かな夜のひとときを過ごしてくださいね。穏やかな夜になりますように…。

今日お届けする曲はハードバップの中でもかなり知名度の高いアルバムかと思います。Sonny Clark のアルバムCool Strutting‘からの一曲『Deep Night 』。彼はBud Powell の影響を受けたピアニストのひとりなのですが、そんな中バードランドでPowell がこの曲を演奏するのを観た時からこの『Deep Night 』の虜になった。。という事です。レジェンドがレジェンドの演奏の虜になる…なんかすごいなあ…と溜息です。このSonny Clark ヴァージョンは駆り立てられるようなswing 感がとにかくカッコ良く、リズムセクションのパワフルなのに繊細な素晴らしいアプローチ(Paul Chambers 、Philly Joe Jones )に彼のピアノも冴え渡る…という感じがします。もう一つ言うならば…このジャケットのデザインも都会的な雰囲気が様々なアーティスト達の感覚に響き、音楽ではない場面でもよく引用されているようです。Sonny Clark が創り出すswing の世界に酔いしれてみるのも素敵なひとときです。お洒落でJazzy な時間、美味しいワインなんてあったら更に最高…。あなたにそんな時間が舞い降りてきますように。

今日は全国的に今年最高の気温なのだそうです。私の住んでいる地域も凄く暑い。。。熱中症になりそうです。皆さんも気をつけてくださいね。その代わりと言ってはなんですが、、夕陽が物凄く綺麗です。車を運転しながらこの曲が聴きたくなりました。Sting の『It’s Probably Me 』。仲間を思い歌った曲ですが、Sting が歌い、創り出すこの世界観が好き。やはり、彼は私にとって永遠なる憧れの男性…(勝手に昔からファンなのですが)。1人きりの時間、ちょっとセンチメンタルな気分に浸りたい時によく聴くミュージシャンのひとりです。若い頃の尖ったSting もカッコいいのですが、素敵に渋さが増した今の彼は更に格好良く、こんな歳の重ね方を人間としてしたいな…と思います。今日の夕陽と共にあなたへこの素敵なサウンドを贈ります。お仕事が終わってゆっくり過ごしているあなたも、大好きな恋人や大切な家族と過ごしているあなたも、穏やかな5月の夜になりますように…。

J-Pop はあまり聴くことがないのですが、この人の創り出すコード展開が凄く好きで時々無性に聴きたくなります。星野源さん。その中から今日お届けする曲『不思議』。彼の音楽でくすぐられてしまうのは、歌詞が素敵な事は当然なのですが其れよりも私にとってはなんと言っても、、、こう進行していくかな…と思わせてそこを回避するかの如く予測しなかったコード展開につなげていく彼独特のアバンギャルドさというか、緻密なコードスタイル…そしてそれに加えて、痺れるまでにグルーヴ溢れるドラム&ベースのライン…聴く度に溜息モノです。星野源さんと言えば爆発的にヒットした『恋』という曲がありますが、大ブレイクも落ち着き、本来の彼のサウンドはこれでしょう、という感じがします。初夏の夕暮れ、なんとなく夕陽を見ながら聴きたくなります。そして、さあ明日も頑張ろう…なんて気分にもさせてくれます。いろんな事があり、いろんな出会いがある私達人間、楽しい事や楽しい出会いもあればその反対もある訳で…でも生きているからこそ味わえる自分の気持ちを大切にしながら過ごしていきたいですね。日常的に色々な出来事で疲れているあなたに、この曲がふっと肩をおして前向きにさせてくれる…そんな素敵な曲です。あなたらしく明日も過ごすことができますように…。

5月になりました。楽しいゴールデンウィークを過ごした方もいらっしゃることでしょう。春を感じる5月の風から夏の季節に移っていく香りがします。そんな香りと共に、今日はこの曲をあなたへお届けします。Earl Klugh のアルバムから『Whispers and Promises 』。アルバムタイトルにもなっている曲です。このアルバムを聴いていると夏を迎える前の、まさしく今の時期の清々しい空気を感じます。スムーズなギターのピッキングとバックに流れるストリングスの音色…さりげなくお洒落な空間に連れ出してくれます。軽くてシンプルなサウンドの中に冴え渡るミュージシャン達の演奏、Earl Klugh を中心に繰り広げられるミュージシャン達のアプローチは素晴らしく私の心をワクワクさせてくれます。さあ、このアルバムを聴きながら夏になる前の海の風の香りを楽しんでこようかな…。気持ちの良い季節、あなたにとって素敵な5月になりますように、、、そんな想いを込めて今月も日々、いろんな場所で演奏をお届けします。あなたにも届きますように…と願いながら…。

日向敏文さんの作る音楽、そしてその世界観が物凄く好きで、大学時代からずっと聴き続けています。もしかしたら私が演奏するピアノのフレーズだったりコードの作りにも影響受けているかもしれません。それくらい途切れる事なく聴いている作曲家です。彼の曲は何故か一人の時に聴きたくなります。生きていて楽しい事がいっぱいある反面、辛い事や悲しい事、意味もなく切ない時、ふっと彼の創り出す音の粒が舞い降りて包み込んでくれるような気がします。自分自身、演奏をしているピアニストとして大好きな作曲家は沢山いますが、刺激や強いエネルギーをもたらしてくれる音楽…と言うよりも、好きな空間に身を置いてひとときを過ごしている時に一緒にいてほしい良質な友達…日向敏文さんの作るサウンドはそんな感じです。仕事とは全く別の感覚で聴き続けている大切な宝物。今日はそんな私の宝物のひとつの世界をあなたにお届けします。『Reflections 』から始まる彼の世界に暫く聴き入って下さいね。優しい人間でいたい…そんな想いがいっぱいになります。あなたの心に届きますように…。

私はピアニストとしてレギュラーで出演させて頂いているお店が二カ所あります。一つはジャズとお酒を楽しんで頂ける所謂Jazz Bar 、もう一つはお洒落な異空間の中でお食事を中心に質の良いBGM としてピアノの音色が響く…そんな空間。Jazz Bar での演奏はスタンダードジャズを中心にマニアックなアプローチにもちょっと挑戦してみたりしてお客様に聴いて頂きながらピアノに向かいあう私です。もう一つのお店では、『質の良い異空間をピアノで創り出す』…それが私自身の考えるそこでのピアニストとしてのあり方と思って望んでいます。なので、マニアックに走ることなく(場所、ニーズを考えた場合、そうしないと時には弾き手側の自己満足になってしまうと思うのです)ジャズも含めて様々なジャンルの演奏スタイルを提供させて頂こうと心がけています。なんだか前置きが長くなってしまいましたが…、今日お届けする曲は、ジャズ以外でよく演奏する曲のひとつです。Billy Joel の『Honesty 』。人間は所詮、嘘をついたり、騙して落とし入れたり汚いもの…何もかも手に入る時代でも『Honesty (誠実)』を手に入れる難しさ…辛さ…寂しさ…そんな想いを歌った曲ですが、このコードの動きと旋律の美しさが凄く好き。彼が切なく歌い上げる様に私のピアノでもそんな想いがピアノで伝えられたら…と思いながら、今週末の『麗穂』でのピアノに向かおうと思います。あなたにもどうか届きますように…。

今日お届けする曲は、私にとって自分のピアノの未熟さに落ち込んで、自分のピアノになんとなく自身喪失…なんて時に本気に奮い立たせてくれるアルバムの中からのひとつです。ピアニスト、Bill Evans の亡くなる直前の演奏を収録したConsecration という3枚の中の1枚、The Brilliant からの曲です。彼は、麻薬の常習で身体の状態は日に日に悪化していき、とてもピアノを弾くという状況ではなかったようですが、きっと彼の意地とピアノ愛…その力が亡くなる直前までピアノに向かわせていたのかと思います。その様子を収めたCD です。今日はその中から『Letter To Evan 』。Evans のオリジナル曲です。このアルバムの中の演奏で感じるのは、Evans と言えばとても繊細な音色が素晴らしいピアニストであることは当たり前な程に有名ですが、きっとその時の彼の生きたいという思いなのか、物凄く力強さ、振り絞った強さというのかハードなタッチ感から生き急ぐ様な思いすら感じます。それと同時に今現在聴いている私には切ないほどこの音色とアプローチに衝撃を受け、頑張ろう…という気持ちになります。そして彼しか出す事のできない叙情性溢れる演奏に涙がこぼれます。今日はそんなEvans の世界に酔いしれて下さいね。あなたにとって穏やかな春の夜のひとときになりますように…。

春は曙。やうやう白くなりゆく、山際すこし明かりて、紫立ちたる雲の細くたなびきたる。。。清少納言の枕草子からの一文。素敵な表現です。彼女の日本の四季の美しさを鋭く繊細に描いた世界観に引き込まれて読んでいると、あらためて日本人であり、四季折々の中で過ごせている事に喜びを感じます。4月の今、ほのぼのと夜が明けてだんだんとあたりが白んで山のすぐ上の空がほんのりと明るくなって淡い紫に染まった雲が細くたなびいているようす…彼女の表現そのままの世界が感じられる自然の中に久しぶりに車を走らせて行こうかな…なんて思います。今日は素敵な一文と一緒にこの曲をあなたへ贈ります。Matt Quentin の『Morning Dew 』。刻一刻と変わっていく春の夜明けから始まる雲の色合いをちょっと早起きして感じる時間も気持ちいいものです。素敵時間があなたに流れますように…。