早いもので4月も後半に入りました。来週はゴールデンウィークのスタート。あっという間に時は過ぎていきますね。気候も暖かくなってお出かけの予定を色々と考えている人もいるでしょう。楽しいひとときにしてくださいね。今日は、そんな春の穏やかな日に、敢えて家にいて聴き入るには最高のジャズトリオのお届けです。何かをしながら流れるように心地良く音楽を楽しむのも最高の時間ですが、私はこのトリオに関しては眼を閉じて3人のインタープレイに聴き入ります。それくらい、彼等から放たれるサウンドは三者の役割が見事なまでに集まっていて刺激的です。現代ジャズ…という言葉が使われますが、まさに彼等のサウンドこそそのものかと。とは言っても、決してお仕着せがましい煩さも無くこれだけの事をやっているのにピアノの音色は優しく美しい。ピアニストAaron の魅力のひとつです。ドラムAli とベースOmer の創り上げるgrooveとswing感にピアノAaron の硬質で繊細なサウンドが絡むと、3人の乱れない一体感が心地良く、この展開がジャズ好きにはたまりません。アルバムSpring Sings から今日は『Sheikh Ali 』をあなたに。ピアノAaron Goldberg 、ベースOmer Avital 、ドラムスAli Jackson 、この3人の素晴らしいインタープレイは私にとっては最高の刺激であり明日への活力です。Aaron のようにはいきませんが笑、さあ、頑張って練習しよう…なんて気分になります。新しくスタートを切ったあなたにも素敵なhappyがやってきますように。。。無理し過ぎずに、、頑張ってくださいね♪

今日はChick Corea のアルバムの中で私の一番大好きなReturn to Forever からのお届けです。彼のピアノテクニックは言うまでもありませんが、このアルバムはエレピ、所謂フェンダーローズの音色に魅せられる作品です。Chick が奏でる美しさ、このフェンダーローズの音色で演奏するミュージシャンは数多くいても彼の右に出る人はいるのか…というのが私の思いです。このローズの音色にビートとリズムが絡み、素晴らしいクオリティのアルバムの一枚です。私は、高校生の時にこのアルバムを知りChick Corea の大ファンになりました。彼の真似など到底できるものではありませんが、せめて彼の創り上げる「美」を音色で表現できたら…と鍵盤のタッチ感等色々と模索していた時代が懐かしい。。。今日はそのアルバムの中から『Crystal Silence 』をあなたに贈ります。私自身、仕事でよく演奏する曲ですが、Chick の創り出した世界観を大切にしながら展開して演奏させて頂く、、そんな事を自分軸にしています。そしてそれが彼の残してくれた音楽の遺産に対するリスペクトかな…と。彼の拘る音楽の本質…というのは美しさ、喜び、楽しみ、時には哀しみ、全てが詰まった中で展開されていく。そこを追求して演奏することが奥行きのある深い演奏力になるのではないか…、と考えながら今日もピアノに向かいます。『Crystal Silence 』、あなたを穏やかな空間に優しく連れ出します。。素敵なひとときになりますように。

日頃、ピアノを演奏していてリクエストをお客様からよく頂きます。スタンダードジャズが多いですが、それと並ぶ位よくあるのがBilly Joel の数々の曲です。ジャズと違ってこういったPOPS系の曲は歌があるからこそサマになりインストで弾いてもちょっとイメージが違うなぁ…なんてこともよくあるのですが、逆にインスト、さらにピアノソロで演奏しても素敵になる…所謂、旋律がメロデイック、コードの動きがモダール的な名曲も沢山あります。Billy Joel の曲はまさにそれ。彼の歌があってこその名曲ですが、ピアノソロで演奏しても心にくる何か魔法のような響きがあります。そして、そんな演奏を心がけています。私自身、彼の作品のひとつ『Piano Man 』の世界観は、私のピアノ弾きとしての原点であり、私の微かながらの誇りです。今日はそのBilly Joel の作品の中からあなたにこの曲を。。。永遠に忘れることのない甘い大人の恋…そんな出来事を歌った『This Night 』。コーラス部分のメロディはベートーヴェンのピアノソナタ悲愴の第2楽章の旋律が使われていますが、彼の手にかかるとベートーヴェンからこんな素敵なラブソングが生み出される。感動です。因みに、この歌詞の内容は彼自身、実際にあった出来事、という事。少しやんちゃな、でも魅力的で才能あふれるミュージシャンのBilly は恋多き男性なのでしょうね。危険な香りを持ちながらも引き寄せられてしまう魅力、周りの魅力的な女性もほっとく訳がない…。Billy Joel の素敵なラブソングをあなたに。。。春の穏やかな空気と一緒に…。

いつもバタバタと時間に追われて過ごしているとちょっと自分を見失いそうになったりします。そんな時、私は何もスケジュールの入っていない日に、もう何もしないと決めて無になる1日を作ります。家にいてずっと本を読んで過ごすのも好きなひとときですが、とにかく何も考えず無になりたい時は車で好きな音楽を聴きながら海に向かいます。車の運転に集中して、そこから見える風景、大好きな音楽…そんな時間が私にとっては最高のリフレッシュ。こんなふうに自分で自分の機嫌をとりながら過ごすことはとても大切であり、人間として生まれてきたからこそできる感謝すべき大きな特権なのかもしれません。今日お届けの曲は、そんな時に聴く私のとっておきの一曲です。Sade というイギリスのバンドで、ジャズ、ソウルをベースにしつつシンプルに最小の音で構築されている、、にも拘らず洗練されたサウンドは、私がピアノを演奏するに於いても目標とするところであり、影響を受けたバンドです。ヴォーカルのAdu のクールな歌声とミステリアスな存在感、キーボードのAndrew Hale、Stuart Matthewman のギター、サックス、Paul Spencer Denman のベース、この4人から生み出されるサウンドの心地良さは、まさに「音楽に必要なさりげなさ…」を伝え与えてくれる今や世界的実力派バンド。今回はその作品の中から『Kiss of Life 』をあなたに贈ります。ずっと聴き続けている曲ですが、大人になった今聴いてもやっぱり最高…。穏やかな春のひとときになりますように。

4月になりました。いろんなことがスタートする季節ですね。今月も素敵な日々にしたいな…と思います。巷ではストリートピアノの件で色々と物議を醸し出している、というニュースを知りました。少し情報を得てみると…なるほど、と思ったり、、、う〜ん難しいところです。音楽、音、というものは素敵な気持ちにさせてくれる反面、ひとつ間違えたら騒音…!という世界をもたらしてしまうものであり、私達プロとしてお金を頂き演奏しているミュージシャンにとっても付きまとう課題です。ロックやJ-POP のようなジャンルならまだしも、私のようにピアノソロ、ピアノトリオ等のコンボスタイルで仕事をしているミュージシャンは仕事内容によっては静かに心地良い音量でいかにお客様を満足させられるか…常日頃取り組んでいる大きな課題です。私自身がシンプルでさりげないアプローチ、音量、にこだわるサウンドが好みなのでこれからも追求し続けていきたいところです。まあ…とはいえ、ストリートピアノで演奏したい、と参加されている方々はアマチュアであり、そして音楽を愛するとっても素敵な方達なのですから、好きに演奏するのも悪くないのでは…好きに演奏したらいい…とも思ったりもしますが…。さあ、今日の曲は、Pat Metheny のギターソロアルバムDream Box からの一曲です。彼はバリトンギターソロのアルバムも何枚かあり、そちらも私の大好きなコレクションですが、このアルバムはエレクトリックギターをアコースティックギターのように静かに弾くにはどうしたらいいか…という拘りの中で作成したそうです。さすが、、Pat Metheny の手にかかるとエレキギターの音色もとろけるような甘いサウンドになり、でもエッジの効いたビートも心地良い。こんなサウンドこそ目指したいところです。4月のどんよりした曇り空が何となく似合う心地良い抜け感も最高。今日はそのアルバムの中から『Never Was Love 』をあなたに贈ります。あなたらしく素敵な春を迎えてくださいね。

3月も後半になり春の風が吹きはじめています。花粉症の方は大変な時期ですが、やはり木や花、鳥たちの鳴声、春を感じる空気がいっぱい溢れているのはそれだけで幸せな気分になりますね。車が大好き、運転が大好きな私にとってはふらりとあてもなくドライブに出かけたくなります。どの季節も運転中に見える景色は私に様々な刺激とインスピレーションを与えてくれますが、やはり、冬が過ぎて春を迎える今の時期は自然界も街の表情も明るくなり心を穏やかにしてくれます。今日は私がドライブ中によく聴いている一曲のお届けです。イタリアのミュージシャン、Paolo Fedreghini & Marco Bianchi のアルバムSeveral People から『Theme Of Solitary Notes 』。イタリアのクラブシーンで活躍するミュージシャンです。ダークな中にメロウでモダール的なサウンド、ヨーロッパの中で出来上がってきた現代ジャズ…というのか、とにかくクールなお洒落さに初めて聴いた時からずっと虜になっています。一人で運転に集中してドライブを楽しみたい…なんて時は必ず一緒に過ごすサウンド。素敵な春に向かって気分も上げて過ごしていきたいですね。楽しく明るく…そんな春がもうすぐそこ。Let’s enjoy spring !

今日は春らしいお天気になりました。こうして寒い暖かいを繰り返しながら春はやってくるのでしょう。私達人間が嬉しいように、きっと植物も虫達も鳥も全ての生命体が喜んでいるのかな…と思うとちょっとワクワクした気分になります。今日はあなたに素敵なモダンジャズを贈ります。Nat Adderley 作曲の『The Old Country 』。なんと言っても本当に素晴らしいメロディですから様々なミュージシャンが演奏していますが、やっぱりNat Adderley Quintet のこのヴァージョンが私は一番のお気に入りです。初めて聴いた時は、とにかくこのメロディに心を奪われました。一目惚れ、と言うのはこんなこと…という感覚です。哀愁漂うこの旋律は私自身がピアノで弾いていても全ての想いをのせられる、そして、この旋律にその時の想いをのせていろんな場所で今も演奏し続けています。Nat Adderley はコルネット奏者で、お兄さんのCannonball Adderley がスターでありすぎたせいかあまり世間では語られていませんが、素晴らしい曲を作り、派手さはないものの素晴らしい演奏を私達に残してくれています。少なくとも、私はNat Adderley の『The Old Country 』に恋した一人。モダンジャズ…の素敵さを言うのならこれこそハマりすぎ、という位の傑作なのではないかと思います。さあ、今日は春の訪れを待ちながら素敵なこのモダンジャズに聴き入るひとときをあなたに。。。Nat Adderley Quintet 『The Old Country 』

3月も後半になりかけた今も寒い日々です。全国的にこんな感じのようですが風邪をひかないように気をつけましょう。寒さはありますが、日の長さを夕方あたりにふと思うとやはり春は近くにいるのかな…と思ったりします。今日はKenny Burrell のアルバムのお届けです。彼のエレキギターの格好良さは言うまでもないのですが、このアルバムはアコースティックのギターも使用していて、その乾いた音色が、夜、静かな砂漠で月明かりに照らされている中に一人佇んでいる…そんな世界に連れ出してくれます。Kenny Burrell の傑作アルバムは数多くある中で、このアルバムは派手さこそないものの秘かな傑作です。今回はその中からの一曲、アルバムタイトルにもなっている『Moon and Sand 』をあなたに…。乾いて淡々とした砂漠のようにテーマが始まり、そこから繊細で流れるようなギターソロでもっともっと私の心の奥底にある深い空間に連れ出してくれます。。そのソロに寄り添うような甘いパーカッションの響きが切なくでも美しい。。。春の肌寒い月明かりの中で自分ともう一人の自分が語りあっている…そんな不思議な気分になります。こんな時間も私にとって大好きなひととき。。。あなたにとっても素敵な春の夜のひとときになりますように…。

中原中也の詩、特に初期の頃の作品は様々な事に疲れたり不信感に陥った時に私を人としての原点に連れ戻してくれます。初期、とは言っても中原はわずか30年の生涯であり、こんなに素晴らしく魅力的な詩人でありながら2冊の詩集しか残していません。疲れていて何もかも人間的欲に走りがちになった時、彼の残した作品『春の夜』『秋の一日』…素敵な詩をどんどん読み進めていくとその先には、子供の頃、夜空を見上げて言葉にならない不思議な感じになった自分に出会います。中原中也の世界と一緒にKurt Rosenwinkel のアルバムStar of Jupiter の浮遊感、躍動感に浸っていると心から優しい気持ちにさせてくれて様々な人間欲の塊の中から脱出…息を吹き返してホッとした自分がいます。頑張りすぎて人や都会の波に飲み込まれることのないように自分を見失わないで生きていきたいですね。今日はあなたにKurt のアルバムStar of Jupiter からの一曲『Deja Vu 』を贈ります。無重力感の中でKurt のギターが甘くキラキラと跳ね回る…そんなDeja Vu 感に包まれて過ごすひととき…最高です。穏やかな夜に…。

3月というのにまだこの寒さ…。とはいえ、確実に春に向かっているこの季節、groove溢れるサウンドにのって出かけたくなりますね。今日は、Herbie Hancock のアルバムMan-Child からのお届けです。やっぱり私にとってのfunk の原点はHerbie Hancock です。言うまでもなく、ジャズピアニストとしても素晴らしいミュージシャンですが、ジャズピアニストのHerbie から繰り広げられる音楽史改造、、とでも言うのか新しい音楽感を発展させた、JB とはまた違うgrooveの世界観を創り上げた人かと思います。初めてアルバムHead Hunters を聴いた時の私の感動は、すごい…の一言でした。今回のお届けの曲は、そのHead Hunters からさらに発展させてリリースされた一枚Man-Child から『Sun Touch 』。funk のgrooveの決め手ともなるリズムセクション、ドラム&べースに痺れます。そこにHerbie をはじめレジェンド達の演奏が乗れば、もうたまらなく最高です。さあ、春に向かって笑顔で過ごしていきたいですね。ジャズマンHerbie Hancock から創り出されたからこその格好良さ、Swing とFunk 、ジャズとエレクトリックミュージックどちらも混在し活動を続ける彼はまさに巨匠です。Herbie からfunkyな格好良さとエネルギーを頂きながら…あなたにもアグレッシブな春がやってきますように…!