5月になりました。楽しいゴールデンウィークを過ごした方もいらっしゃることでしょう。春を感じる5月の風から夏の季節に移っていく香りがします。そんな香りと共に、今日はこの曲をあなたへお届けします。Earl Klugh のアルバムから『Whispers and Promises 』。アルバムタイトルにもなっている曲です。このアルバムを聴いていると夏を迎える前の、まさしく今の時期の清々しい空気を感じます。スムーズなギターのピッキングとバックに流れるストリングスの音色…さりげなくお洒落な空間に連れ出してくれます。軽くてシンプルなサウンドの中に冴え渡るミュージシャン達の演奏、Earl Klugh を中心に繰り広げられるミュージシャン達のアプローチは素晴らしく私の心をワクワクさせてくれます。さあ、このアルバムを聴きながら夏になる前の海の風の香りを楽しんでこようかな…。気持ちの良い季節、あなたにとって素敵な5月になりますように、、、そんな想いを込めて今月も日々、いろんな場所で演奏をお届けします。あなたにも届きますように…と願いながら…。
dially
私の宝物のひとつ…。
日向敏文さんの作る音楽、そしてその世界観が物凄く好きで、大学時代からずっと聴き続けています。もしかしたら私が演奏するピアノのフレーズだったりコードの作りにも影響受けているかもしれません。それくらい途切れる事なく聴いている作曲家です。彼の曲は何故か一人の時に聴きたくなります。生きていて楽しい事がいっぱいある反面、辛い事や悲しい事、意味もなく切ない時、ふっと彼の創り出す音の粒が舞い降りて包み込んでくれるような気がします。自分自身、演奏をしているピアニストとして大好きな作曲家は沢山いますが、刺激や強いエネルギーをもたらしてくれる音楽…と言うよりも、好きな空間に身を置いてひとときを過ごしている時に一緒にいてほしい良質な友達…日向敏文さんの作るサウンドはそんな感じです。仕事とは全く別の感覚で聴き続けている大切な宝物。今日はそんな私の宝物のひとつの世界をあなたにお届けします。『Reflections 』から始まる彼の世界に暫く聴き入って下さいね。優しい人間でいたい…そんな想いがいっぱいになります。あなたの心に届きますように…。
ジャンルを超えた名曲です。
私はピアニストとしてレギュラーで出演させて頂いているお店が二カ所あります。一つはジャズとお酒を楽しんで頂ける所謂Jazz Bar 、もう一つはお洒落な異空間の中でお食事を中心に質の良いBGM としてピアノの音色が響く…そんな空間。Jazz Bar での演奏はスタンダードジャズを中心にマニアックなアプローチにもちょっと挑戦してみたりしてお客様に聴いて頂きながらピアノに向かいあう私です。もう一つのお店では、『質の良い異空間をピアノで創り出す』…それが私自身の考えるそこでのピアニストとしてのあり方と思って望んでいます。なので、マニアックに走ることなく(場所、ニーズを考えた場合、そうしないと時には弾き手側の自己満足になってしまうと思うのです)ジャズも含めて様々なジャンルの演奏スタイルを提供させて頂こうと心がけています。なんだか前置きが長くなってしまいましたが…、今日お届けする曲は、ジャズ以外でよく演奏する曲のひとつです。Billy Joel の『Honesty 』。人間は所詮、嘘をついたり、騙して落とし入れたり汚いもの…何もかも手に入る時代でも『Honesty (誠実)』を手に入れる難しさ…辛さ…寂しさ…そんな想いを歌った曲ですが、このコードの動きと旋律の美しさが凄く好き。彼が切なく歌い上げる様に私のピアノでもそんな想いがピアノで伝えられたら…と思いながら、今週末の『麗穂』でのピアノに向かおうと思います。あなたにもどうか届きますように…。
やっぱり頑張ろうと思う曲…。
今日お届けする曲は、私にとって自分のピアノの未熟さに落ち込んで、自分のピアノになんとなく自身喪失…なんて時に本気に奮い立たせてくれるアルバムの中からのひとつです。ピアニスト、Bill Evans の亡くなる直前の演奏を収録したConsecration という3枚の中の1枚、The Brilliant からの曲です。彼は、麻薬の常習で身体の状態は日に日に悪化していき、とてもピアノを弾くという状況ではなかったようですが、きっと彼の意地とピアノ愛…その力が亡くなる直前までピアノに向かわせていたのかと思います。その様子を収めたCD です。今日はその中から『Letter To Evan 』。Evans のオリジナル曲です。このアルバムの中の演奏で感じるのは、Evans と言えばとても繊細な音色が素晴らしいピアニストであることは当たり前な程に有名ですが、きっとその時の彼の生きたいという思いなのか、物凄く力強さ、振り絞った強さというのかハードなタッチ感から生き急ぐ様な思いすら感じます。それと同時に今現在聴いている私には切ないほどこの音色とアプローチに衝撃を受け、頑張ろう…という気持ちになります。そして彼しか出す事のできない叙情性溢れる演奏に涙がこぼれます。今日はそんなEvans の世界に酔いしれて下さいね。あなたにとって穏やかな春の夜のひとときになりますように…。
春の朝
春は曙。やうやう白くなりゆく、山際すこし明かりて、紫立ちたる雲の細くたなびきたる。。。清少納言の枕草子からの一文。素敵な表現です。彼女の日本の四季の美しさを鋭く繊細に描いた世界観に引き込まれて読んでいると、あらためて日本人であり、四季折々の中で過ごせている事に喜びを感じます。4月の今、ほのぼのと夜が明けてだんだんとあたりが白んで山のすぐ上の空がほんのりと明るくなって淡い紫に染まった雲が細くたなびいているようす…彼女の表現そのままの世界が感じられる自然の中に久しぶりに車を走らせて行こうかな…なんて思います。今日は素敵な一文と一緒にこの曲をあなたへ贈ります。Matt Quentin の『Morning Dew 』。刻一刻と変わっていく春の夜明けから始まる雲の色合いをちょっと早起きして感じる時間も気持ちいいものです。素敵時間があなたに流れますように…。
自分らしく自分を貫く力…。
最近思う事です。中高生の虐め問題。喧嘩ならともかく、虐めという本当に様々な嫌がらせで壊れてしまい心身共に疲弊して自殺する子供達もいるという現実…。大人の世界でも戦争をしている…本当に人間という生きものはなんて醜いのだろう…そして私もその人間の一人。つくづく嫌な生きものだ…と認識せざるを得ません。いろんな嫌な思いをして人を信じられなくなって壊れてしまう事もあります。そんな時は何をやっても解決にならないかもしれませんが、、、あなたにこの曲を届けさせて下さい。『思いがかさなるその前に・・・』平井堅さんの曲です。「この曲は子供のころの自分が未来のボクに向けて書いた手紙でもあり逆に大人になった自分がボクに書いた歌でもあります。様々な時間軸での『思い』が交差していてまさしく『思いがかさなって』いるのです。」と彼がこの曲について語っていました。私自身、この詩でどれだけ力をもらったか…。そして、ひとりぼっちで寂しいと感じているあなたへ、子供の時の自分、未来の自分、いろんな時間で生きている『自分』がいます。決して一人じゃない…。そんな自分と会話して静かな時間を過ごしているときっと何かその『自分』が大きなエネルギーを持ってきてくれると思います。自分を大切に、そして自分を信じて…。何かの運命で人間としていただいたこの生命、強く優しく生きていきたいですね。あなたに穏やかで優しい空気が流れますように…。
雨…。
I always like walking in the rain,So no one can see me crying.・・・私は雨の中を歩くのが好き。。。そうすれば誰にも泣いているところを見られなくて済む。。。Charlie Chaplin の残した名言のひとつです。私の好きな言葉と一緒に今日はこの曲をあなたへ贈ります。坂本龍一さんの作品『Rain 』。いろんな事に感謝しながら生きていきたいです。静かで穏やかなひとときがあなたに訪れますように。
『粋」でいる事…。
今日は雨です。春に向かっての恵みの雨ですね。でもやっぱり雨の日はちょっと切ない気持ちになったりもします。ふっとこの曲を聴きたくなりました。『La Belle Dame Sans Regret 』。Sting がアルゼンチン出身のギタリストDominic Miller と共に作った曲です。日本語に訳すと「美女は後悔などしない」となんとも素敵と言うのか粋な女性をイメージする切なく、でも甘い、今日のような雨に似合う曲です。いろんなヴァージョンがありますが、今日は私の一番好きなスタイルをお届けします。トランペッターのChris Botti のアルバムヴァージョン、歌はSting 、ギターはDominic Miller 。イギリス人のSting がフランス語で切なく歌っていて思わず聴き入ってしまいます。Chris のトランペットの音色が大好きですが、ここでも彼の音色の美しさは際立っています。雨音を聞きながらこんなサウンドに浸るのも素敵な時間です。静かで穏やかなひとときになりますように…。
春のような穏やかな温かさに包まれるサウンド。
だんだんと温かくなり春の訪れを感じると同時に厚いコートを脱いでふらりと出かけよう、と思わせてくれます。心もときめいてちょっと優しい気持ちになれたり…やっぱり春は前向きにそして陽気にもさせてくれる季節ですね。今日は、そんな春に似合う曲をあなたへ贈ります。イギリス出身のエレクトロポップDuo 、HONNE の『I’M BLESSED 』。コロナ禍で様々な自粛制限がかかり演奏活動どころか大切な人にもなかなか会う事が出来ないという思いを経験してリリースされた彼等の想いが沢山入った作品です。私自身、コロナの影響で演奏活動に制限がかかり、お客様の前でピアノを弾く事ができるありがたさ、幸せ感をあらためて感じ、そんな事も含めて今までの自分の演奏スタイルを見つめ直してみたり、ピアノ一音一音の音色をもっともっと拘って…それが聴いて頂いているお客様へお伝えできる感謝の想い…と考えるようになりました。仕事ができない空白の時期ではありましたが、ある意味いろんな事を教えられたコロナ禍でした。この曲は、「僕は恵まれている。愛に包まれて幸せを感じている。落ち込む事があっても、もっと強くなれるならいい…」と歌うHONNE の優しい二人らしい歌詞です。優しさいっぱいの想いを込めてあなたへこの曲をお届けします。素敵な春になりますように…。
ちょっと愛車を走らせて…!
私の趣味と言うのか大好きな事の一つとして愛車を走らせる、という大切な時間があります。ちょっとお恥ずかしい事に調子に乗ってスピードを出し過ぎて切符を切られてしまった事があり、それ以降は制限速度内で(当たり前でしょ、と叱られそうですが)車の走りを楽しみつつ、ハンドル操作に集中して自分だけの空間で気分転換する時間が凄く好きです。今日はそんな時に車の中でよく聴いているアルバムの中の一曲です。Herbie Hancock のアルバムMan-Child 。Herbie Hancock と言えばジャズマンとして活躍もされていますがやっぱりなんと言っても私にとってはファンク。きっとヘッド・ハンターズのアルバムの頃からジャズを軸としてファンクサウンドの模索は続けてきたのでしょうが、このMan-Child は最高峰に達しているのではないか、と思います。参加ミュージシャン達の名演奏にも痺れるとにかく無茶苦茶カッコいいアルバムです。こんなサウンドを聴きながら運転していたらアクセル全開にもなってしまいますが、それは我慢して…ドライブに出かけようと思います。その中からあなたへこの曲を贈ります。『Hang Up Your Hang Ups 』。なんだか嫌なこともこのノリで忘れさせてくれそうなサウンドです。春に向けてチャレンジ精神一杯で行きたいですね。いろんな可能性溢れるあなたの春に乾杯…。