今日はMichael Franks のアルバムからの一曲です。1999年にリリースされ、私が彼の事を知ったのもその頃で、とにかく都会的で最高にお洒落…というサウンドに取りつかれて聴き入っていました。実際にはもっと前から活躍していて不動の地位を確立しているミュージシャンで、私が知った2000年頃にはすでにsmooth jazz というジャンルを牽引してきた第一人者的な存在でもありました。このBarefoot on the Beach というアルバム、背景的には夏…というシチュエーションですが、この彼の世界観で囁くようにそして都会的に歌い上げるサウンドは季節外れのちょっと淋しげな海にも似合う。。。そして、淋しさ…というよりもお洒落な感覚に連れ出して自分を素敵に演出してくれる。あなたがもし独り時間が好きな私のような人であればきっと彼のサウンドに取りつかれます。こんなふうにちょっとした事で自分の機嫌をとりながら精神を安定させて生きていく…というのも大切かな、と思ったりしてね。。だんだん寒くなってきました。秋…というより冬が近い空気を感じますね。暖かい部屋で静かにゆっくりと過ごす楽しみもこれからの季節の醍醐味。さあ私は…次の仕事が入っていない日にちょっと車で海まで出かけてみようかな…と思います。そして着いたら海を眺めながら大好きなサウンドと一緒に過ごそう。その中のひとつをあなたに今日はお届けです。Michael Franks アルバムBarefoot on the Beach から『Every Time She Whispers 』。あなたにも穏やかな時間が訪れますように。

しばらく海での生活はおあずけ…の状況になりつつありますが、これもある意味、お仕事を頂けているという感謝すべき事であり、ありがたく過ごす日々です。実際に住んでいなくても、私にとっては第二の故郷のような場所であり、私の心の中と脳裏にはいつも「海」という場所があります。今日の曲は、昨年は今頃の時期、海を見つめながらずっと聴いていたアルバムSolo Improvisations for Expanded Piano からの一曲です。ピアニストLyle Mays がアルバムを通して究極の自己表現をした作品の一つなのではないか…と思う作品。ピアニストとしてだけでなく一表現者としての繊細な音の濃淡、そして演奏テクニック、吸い込まれるような間、音楽的に当然、引き込まれていってしまうほどの名盤ですが、それに加えて精神的な何かが私の心に働きかける音の世界。彼の美というものに対しての思いが詰まった音の世界。そこに彼の盟友、Pat Metheny の世界観も加えられ広がると…もう美しすぎる音の世界観に言葉無くして泣いている私がいます。Pat Metheny Group は彼がいなくては実現しない、或いはまた違う世界観のサウンドになっていたのではないか…と思ったりします。Lyle Mays が亡くなって5年、天才音楽家であり繊細で美意識の高い表現者であった彼の作品…たとえ過去の人になってもそのサウンドに虜になった私のような人間によってずっと語り継がれていきます。今日はそのアルバムの中から『Long Life 』、アルバム最後の曲ですが壮大かつ繊細なサウンドが人が去り静けさが戻った11月の海にとっても似合う。。。今月もあなたらしく過ごす事ができる11月になりますように。寒くなってきました。暖かくして過ごしてくださいね。

今日はJim Hall の名盤からの一曲です。アルバムCONCIERTO から『Concierto de Aranjuez 』。Jim Hall を中心に素晴らしいジャズマン達が一音一音、音を紡ぎながらの演奏…。本来の原曲、クラシックスタイルを壊すことなく洗練されたモダンジャズサウンドを作り上げています。私は10代の頃からですが、ふと、訳もなく淋しい気持ちになったりすることが時々あります。そんな時いつも「あゝ、でもだから私はこの曲の世界観に入る事ができて、それはとても大切な感覚なんだ…」と思い続けています。人はどんなに成功を手に入れても友達、仲間、恋人等に囲まれていてもやっぱり孤独な生き物なのではないのか…そして、何処かで淋しさという感覚を持って生きていることは大切なのではないか…。当たり前ですが、笑顔でhappyに過ごす…これは嬉しい事ですが、何処かでいつも「淋しさ」という世界観は大切に持ち続けていたいと思うのです。根暗…?そうとも言えるかもしれませんね。。。でも、そうしてひとりで色々な事を考えながら淋しいという気持ちを受け入れて生きていく…そしてそこから生まれる感性こそ私だけの宝物…そんなふうに思います。嬉しさも淋しさも音で伝えられるピアノ弾きでいたい…。今日もそんな思いでピアノに向かおうと思います。Jim Hall Sextet による深く洗練された音の粒から生まれるアランフェス協奏曲『Concierto de Aranjuez 』、哀しく淋しく、でも美しい…この素敵な名曲をJim Hall が見事にジャズという世界で表現した素晴らしいサウンドをあなたに贈ります。10月も残りわずか、風邪をひかないように暖かくして過ごしてくださいね。素敵なひとときになりますように。

今日は朝から雨が降っています。この季節の雨はいっそう冷たく感じます。こんな日は、日頃の色んな悩みとか哀しさとかが更に増すような気がします。そこにやらなくてはいけない事が追いかけてくるようにあったりすると、もう全方面から追い詰められているような感じ。。。まあ、そんな時は…もう深く考えるのを一旦やめにしてACIDなCLUB系のサウンドをずっと流して過ごしたりします。このgrooveが良い意味で私をお洒落なCLUBに連れ出してくれて気分を楽にしてくれたりします。本当にCLUBに行ってDJ の創り出すサウンドを楽しむのも好きですが(DJ として活躍している仕事仲間もいますし)私自身、夜が中心の仕事でなかなかそれも叶わない…そして、なんと言っても疲れている時は一人になりたかったりする…となるとその時の気分に合わせて選択したサウンドで家でこんなふうに過ごすのもちょっとした贅沢なひとときです。今日お届けの曲はイタリアのCLUB系で活躍するPaulo Fedreghini & Marco Bianchi のアルバムから『Stay in Mood 』。私的には音楽的理屈抜きでとにかくお洒落で格好良いgrooveが凄く好きなCLUB系JAZZですが、その中でも彼等は私の中では筆頭に上がります。さあ、今日は仕事に行くまでずっと彼等の曲と一緒に過ごそうかな…。寒くなってきました。風邪等ひかないように暖かくして過ごしてくださいね。あなたにとって静かで穏やかな時間が流れる素敵な日曜日になりますように…。

すっかり秋めいて寒くなってきました。いよいよ冬の準備の始まりですね。今の時期は何という理由もなく物寂しさ、物哀しさのような気持ちになる事がふっとあります。この秋という独特の空気感がそうさせるのか…。そんな思いの中でPat Metheny のギターを聴いていると(特に彼のギターソロアルバム)物哀しさの中にある美しさ優しさを感じます。それは決して身構える事なく私の心にスッと入ってくる…。彼のギターは、Pat Metheny Groupでの超高速ギターアプローチも最高ですが、もう一つの彼が拘って造り続けているバリトンギター一本での世界は、彼のギターの音の豊かさ、当たり前ですが、彼の演奏の見事さ…派手さではなく響きで伝える音の世界…本当に心が洗われて、静かに夜のひとときを過ごす時にいつも一緒にいてほしいサウンドです。時間が経つのも忘れて聴き入っているうちに、物哀しさではなく暖かいぬくもりや優しさに包まれた空気の中にいる事に気づきます。色んな悩みも、切ない思いも只静かに受け入れて聞いてくれて、そして語りかけてくれる柔らかく優しい言葉のようです。この季節、美しいけれどちょっと切ない秋というのは…Pat Metheny のギターは私にとって更に極上のサウンドになるのです。今日はアルバムタイトルにもなっている『One Quiet Night 』この曲をあなたに贈ります。素敵なひとときになりますように…。風邪には気をつけてね。

父が病気で亡くなってから時間ができるとお墓に行きます。そこには祖父祖母も眠っていて、日頃の感謝や、まだ受け入れきれない亡くなった父に会いに等、様々な思いで自然に私の足は出向いています。でも、なんだか行く度に心は穏やかになり、やはりご先祖さまや父が力を与えてくれているのかな…。そして、、、そのお墓にずっと住んでいる野良猫が何匹かいます。地域の人にも可愛がってもらっているようで痩せ細っていないのでちょっと安心。私も何かいつも彼等が食べるフードを持って行っていますが。。。先日、お墓の掃除をし終わりお線香をあげていたらいつものように猫ちゃん達がやってきました。するとその横から2、3歳の子供を連れた母子がいつのまにかいて子供が「あー、猫だ〜恐いい〜」と言い出し、親は「触らないで…、さあもう行くよ…」そんな会話を。瞬間的に猫ちゃんの目が寂しげに映り、たまらなくなりました。思いきり猫ちゃんに「こっちにおいで。美味しいもの持ってきたよ…」と話しかけると安心した目が本当に愛おしい。その子供と母親に「猫ちゃんの方があなた達を怖がっているんです。この子は何もあなた達に攻撃的な事してませんよね」と思わず言いたい気持ちをグッと抑えるのが必死でその場はやり過ごしました。動物に対して優しく接する事ができない人は私は好きではありません。人間は裏切ったり、身勝手に私利私欲に走ったり、嘘をついたり、私を含めて汚さを持った生き物で、ある意味罪を背負い生きている生命体、、動物は人間と違ってピュアな生き物なのです。動物は裏切らない…。そして動物にも感情があるのです。今日お届けの『Shining Boy & Little Randy 』は『星になった少年』という映画で音楽担当の坂本龍一による作品の一つです。この映画は少年の哲夢とアジアゾウRandy のストーリーですが哲夢はバイク事故で亡くなります。彼のお葬式の時に参列はしなかったもののゾウのRandy の目には涙が溢れていた…。哲夢とRandy のつながった思い…。そう…、ゾウもネコも感情はあるのです。先程のお母さん、あの精神でお子さんをこれから育てていかれるのか…と思うと寂しく残念に思います。動物という生き物の存在を軽視している人はこの映画を観てどんな感情を持たれるのか…。動物を守る大きな行動は私の力では到底できませんが、私なりに自分でできるアクションは起こしていきたいと思っています。『Shining Boy & Little Randy 』、私自身ピアノソロのお仕事でよく演奏させていただいている大好きな曲の一つ。映画のストーリーの素晴らしさと教授らしいサウンド作り…日本映画として誇らしく思う、素晴らしい作品と思います。人にも動物にも優しい気持ちでいられる生き方をしたい…。そんなふうに思う日々です。優しいあなたにこの思い、届きますように…。

最近はなんだかバタバタとした日々です(私だけの話で恐縮ですが)。あれもこれもとやる事が押し迫って少し頭が混乱気味…。こんな時こそ、ACID系CLUB JAZZを流しながらあまり色んな事を深く考えず過ごすのも良い気分転換。。。そして車を運転しながらそんな自分時間を過ごす…ちょっとした事ですが、これが私の疲れた時の現実逃避タイムです。今日はそんな時によく聴いている一曲をお届けします。イタリアのCLUBシーンで人気のレーベルSchemaからリリースされているPaolo Fedreghini & Marco Bianchi のアルバムから『Onda Espumante 』。この曲はCLUB色よりもピアニストMarco Bianchi のピアノアプローチを楽しむLatin & Jazz 色がお洒落なサウンドです。自分の心をちょっと修正できるサウンド…やはり音楽の力は素晴らしいですね。秋の色も濃くなってきました。紅葉の準備が自然の中では着々と進んでいるのか…と思うと、日常の色んな悩みもちっぽけなものに思えたりします。夜空をゆっくり眺めるのも最高の季節、風邪には気をつけて冬を迎える前のこの素敵な「秋」という時期を楽しんで過ごしてくださいね。そしてそこには音楽も一緒…。あなたにとって穏やかでお洒落なひとときが訪れますように。

Gary Burton のアルバムDreams So Real 、素晴らしい作品です。1975年にレコーディングされ、語り継がれている名盤ですが私は最近まで知らず、コロナ禍で仕事もできず家にこもっていた時たまたまPat Metheny 好きの私はその繋がりで知りました。Gary Burton の演奏はどの作品を聴いても(ライブ収録作品も)本当に丁寧、というか、クラシック奏者並みの細やかで決してノリで演奏しない(してるのかもしれませんがそう感じない位の正確さ)きっと性格もきちんとした繊細な人なんだろう…と思います。彼のソロアプローチにおいても物凄い急速アプローチ等、すごい事をやっているのに全くブレがなく、とにかく速いフレーズであろうが全てにきっちりした演奏はいかに彼が偉大なるVibraphone 奏者であるか…。このアルバムは、Pat Metheny がまだ若き頃、自らBurton に売り込んでバンドメンバーに起用された作品という事です。その後のアルバムも彼が(Metheny )起用されているでこの頃のBurton の作品はPat Metheny の若き頃の演奏も聴く事ができます。最近、家で静かに過ごしている時(やはりこの気持ちのいい季節、こんな時間が贅沢にとれてちょっぴり幸せ感…)このアルバムをずっと繰り返し聴いています。疲れた心に沁み込んでいくようなこの名盤の中から今日はあなたにこの曲を贈ります。『Intermission Music 』…。この曲と一緒に穏やかなひとときがあなたにやってきますように…。

日本人の誇りとも言える秋吉敏子さんの素晴らしさは語るまでもなく素晴らしいジャズピアニストですが、あらためて聴くと本当に彼女の力強い演奏に感動します。時代背景から言ってもビバップ全盛の時代、所謂、Charles Parker 、Bud Powell と同じ時代に同じ舞台で生きたジャズピアニストです。秋吉敏子というレジェンドは半端ない様々なものを乗り越えてピアノを弾き続けてきたのであろう…この時代の女性は精神的にとても強い…とは言われているものの更にジャズという音楽の世界の中ですから、カッコいいなんて軽い表現すら本来は出来ないのですが、彼女の特に30代の頃の演奏等は、、ごめんなさい…とにかく格好良すぎてそれ以外の言葉がみつからないのです。彼女の30代という時代は苦しみや悲しみもあったでしょうしそれを乗り越えてきた努力は語りきれないと思います。現在95歳、先月日本公演のために来日して今も尚変わらずの情熱的な演奏をされました。この凛とした生き方、ピアノ演奏、感性は日本人としてそして女性として、そしてなんと言ってもピアニストとして私の憧れであり、少しでも(できる事なら…ではありますが)近づきたいと思います。久しぶりに聴いた『Long Yellow Road 』、やはり感動です。この曲は、満州の土煙の道と黄色人種の自分が長く険しい道を歩む決意を重ねた、自分の人生を象徴する曲…と語られています。満州からの過酷な帰国等、現代を生きる私達には計り知れない思いで生き抜いていらっしゃった…。今日お届けの曲は『Long Yellow Road 』、ジャズを愛し、音楽を愛する日本人の心に生き続ける名曲です。彼女の強さ優しさ、色んな事が演奏を通して伝わってきます。力強く情熱的な演奏…きっとあなたに様々な力をもたらしてくれます。秋吉敏子の素晴らしいピアノと一緒にあなたに素敵な秋の夜のひとときが訪れますように。

ふと考えてみると、、、10月という月は微妙な月で、でもなんというのか…魅力ある月、夏から冬に向かう前の自然の動き、それに合わせて変化する「人」の生活的な動き、そして感情…私の感性に色んな刺激を与えてくれます…現実的な言い方をすれば、過ごしやすい気候の中で色んなことを考える時間を与えてくれる…そんな月と思います。夜空を観れば(私は子供の頃から夜空を観るのが大好きで、今もそこは変わらずの大人になりました)「月」も「星」も凄く美しく、秋の夜風に吹かれながら星の輝きを観るのも最高、一人ゆっくりとリラックスするには10月という月は最適…。是非、この10月ならではのひとときを味わってみてくださいね。こんな快適な清々しい夜、美しい「月」や「星」と一緒にLuiz Bonfa のこのアルバムがとても似合う。。。The Bonfa Magic というアルバムは彼の全盛期の数多くの作品を集大成して作成されたものですが、技巧的な面は当然変わらず、それ以上に感性的な、私達の感情に語りかけるような演奏はこのアルバムの方が魅力的かもしれない…と思ったりします。実際にLuiz Bonfa は、穏やかで気品に満ちた小粋な人柄…と周りの仕事関係者、仲間達から言われていたとのこと。そうなんです。演奏…というのは人間性が表れるのです。自分自身、演奏をしていてつくづく感じます。だからこそいつも穏やかで優しい気持ちを持ち続けたい…と思う日々です。今夜はそんな10月の夜空を眺めながらBonfa のサウンドと過ごしてくださいね。きっと穏やかな空気に包まれたひとときになります。Luiz Bonfa アルバムThe Bonfa Magic から『Subtle Samba 』、、、あなたに私の想い届きますように。