ピアノの演奏を日々させて頂いている中で、お客様がお誕生日という事で『Happiest Birthday to You 』所謂、世界で1番有名なあのバースデーソングを贈り物として演奏する事が度々あります。その後、その流れで私は『Smile』をよく演奏しています。私の好きな曲であることと、バースデーソングをF コードで演奏するのでその繋がりとして『Smile』も私の場合F なので物理的にもやり易い…という色々な好都合が揃って、という裏事情もあったりしますが、でもとても雰囲気よく仕上がるのでこの演出は私のお気に入りです。そんな時のゲストの表情、その周りにいる人たち、、、やはり人は怒っているよりも笑っている時の方がその人も魅力的だし、周りもなんだか幸せ感の空気に包まれますね。今日お届けの曲は、その『Smile』をあなたに…。様々なアーティスト達が歌い、今も尚継がれていますが、今日はNatalie Cole のアルバムUnforgettable の中の『Smile』をお届けします。笑顔が素敵…私にとって惹かれてしまう事のひとつです。普段、どんなに寡黙であったり、強面だったり、苦虫を潰した様な表情だったりする人でもふとした時に見えた時の笑顔が魅力的な人…その人の人柄や生き方を「素敵…」と思わせてしまう力がありますね。意味もなく笑っている必要はありませんが、嬉しかったり楽しかったり幸せを感じた時だったりしたらストレートに笑顔が出る…そんなふうに自分に素直な表情(自分を作らず)を自然に出している時がなんだかんだ言っても1番魅力的且、格好良く見えることなのかもしれません。Natalie Cole …Nat King Cole の娘である事は言うまでもありませんが、素晴らしいヴォーカリストですが2015年に亡くなっています。偉大すぎる父、彼女のヴォーカリストとしての名声、様々な悩みの中生きて、その中で健康的な問題も抱えていたようです。彼女の遺してくれた作品はどれだけ私達に笑顔を与えてくれているか…respectの気持ちと共に今日は彼女の歌う『Smile』に酔いしれてくださいね。笑顔が素敵なあなたへ…。

最近の仕事の中心がピアノソロという事もあり(バンドでなく)演奏の合間の空き時間、所謂休憩時間を1人で過ごすことが多くなりました。バンド仲間との仕事の場合は仲間達ととりとめもない話をしたり次のステージの打ち合わせ(実際にはそうたいしてしませんが笑)をしたり、と時間は過ぎますが1人で空き時間を過ごしているとスマホを見て過ごすことが多くなり、それはそれで悪くはないのですが、空き時間の度、となると流石に眼にもよくない…それ以上に演奏、そして音で表現する仕事をしている身として、物凄く感性的、感情的なものが奪われているように感じ始めて最近は短編集や詩集を読んで過ごしています。あらたに読む本になるとこれまた変に集中してしまって仕事に支障をきたす…というわけで過去に読んで今も尚大好きな本を読んでいます。その中から『中原中也』…彼の詩が私は大好きです。かなりの変わった人間だったようですが彼の切なさと美しさが入り混じった、でも時には人間らしい投げやり的な哀しさが全面に出てそれを言葉にぶつけようとする詩…どれも読んでいて儚い余韻が残ります。私もこんなピアノが弾きたい…と思ったりもします。擦り切れる程読んだ詩集…これもまた私の宝物。『中原中也』…私の中では大きな存在です。Kenny Burrell のアルバムMoon and Sand 、これも私の好きなアルバムの一枚です。今は廃盤になり入手できないとのこと。その中から『My Ship 』…この静かで美しい音の中で中原中也の詩を読んでいると涙が溢れている自分に気付きます。あなたにもどうかこの想い届きますように。そして、今夜も静かで穏やかな素敵な夜になりますように…。

失礼ながら…特にファンでもなく、特によく聴いているミュージシャンでもなかったのですが、たまたま音楽情報のネットサイトで入ってきてこのリリースされたばかりのアルバムを知りました。そして『It Ain’t Over 』というこの曲。。。この人の死生観は悲しみではなく生命体全てに訪れること…誰もがhome に帰るように、、、終わりではなく静かに帰っていく場所。私も常日頃考える死生観はそんなふうに思っています。実際に死んだ後のことは誰にもわかりませんが(今生きている私達は当然死んだことがないから生きている訳で)必ず言える事は、人生の終わりは誰にも必ず訪れる…。色んな事を深く考えるところが子供の頃からある私は、夕陽の向こうに何があるんだろう、宇宙の先はどうなっているんだろう、人は死んだ後何処にいくのだろう、、、楽しく遊んでいる裏腹にいつもこんな事を考えている面倒くさい子でした。今も何処かそういった面を持っている自覚はありますが、大人になった今、これは大切に持ち続けたい感覚…と思っています。『藤井風』というミュージシャン、彼の創り上げる想いを込めた世界は1人の詩人であり、1人の哲学者かな…と思ったりもします。そしてこの曲に於いてはこのサウンド、音を詰め込みすぎず、そこから生まれる「音の間」に言葉にならない感情、余韻が入り、優しく穏やかな死生観を感じる…。やはり深く考える人でい続けたい…とあらためて感じさせてくれる素晴らしいミュージシャンです。夜は少し過ごしやすくなってきました。9月の夜のひととき、優しく穏やかな空気があなたに舞い降りてきますように。。。

今日お届けの曲は昨年リリースされたPat Metheny のギターソロアルバムからの一曲です。彼のギターはスーパーギタリストとして名を連ねるトップ級のサウンドがある意味売りで、最高傑作と言われるアルバムが何枚もある素晴らしいギタリストです。私の好きなアルバムStill Life に於いてはまさに彼の最高傑作と思います。只、私がここまでPat Metheny に惹かれ続けているのはそのスーパーギタリストが音数、音量を極限まで落とす事に拘りシンプルに拘り、でも彼らしさのアプローチは魅力的に引き出されている…。わかりやすい表現をするのであれば、、、技巧に走るだけでなく、間も音のひとつと捉えたような所謂シンプルサウンドで素晴らしいストーリーを創り上げる…。そんな一面も持った詩人のような世界観を持った素晴らしいミュージシャンであること…。私自身、彼のアルバムで1番好きな作品…と聞かれたら、最高傑作のアルバムではなく(勿論最高傑作のアルバムの素晴らしさは言うまでもありませんが)A Map Of The World 、そして昨年リリースされたこのMoon Dial 。。。昨年は海を眺めながらこのアルバムを聴いていましたが、今こうして都会でふとした空き時間に夕陽を見ながら聴いていてもこのバリトンギターの音色が私に穏やかな優しさと、さあ頑張れ、、と背中を押してくれている温もりを感じます。やはりPat Metheny というギタリストは偉大なるミュージシャンですね。今回はそのアルバムの中から『Falcon Love 』をあなたに贈ります。きっとあなたにもPat のギターの優しさ強さがエネルギーとなって穏やかに語りかけてくれると思います。素敵な週末になりますように…。

「雨降って地固まる」という諺がありますが、実に素晴らしい表現だな…と思います。何か嫌なことがあったり辛いことがあったり訳もなく喪失感に襲われたり、或いは本当に何か、誰かを失い喪失感の底にいたり自分に自信をなくしたり…言い出したら人の数だけいくらでも出てきそうな悩みが人間はあります。只、、、ドン底にいて夜も眠れず食欲もなくああもう何のために生きているんだろう…と底の底まで行ってもうだめだ、、と思っている時、、ある時ふと何かが降りてきたかのように私は何を悩んでいるんだろう、と悩んでいたことが実に馬鹿らしく思えたりしてくることがあります。もちろん、そこに行きつくまでの時間は1ヶ月の時もあれば1年の時もあり、もしかしたら時間というものが解決してくれているのかもしれませんが…。人に迷惑をかけたり人間として許されない行為をしてしまった場合、或いは最近よく聞く陰湿な虐めの被害を受けたりしている時は勿論そんな諺も何も通じないしそんな事を言っている場合ではありません(そのために警察はあるものと私は信じています。通報するというアクションをおこすべきです)。ではなく、自分の中で抱えた悩みはとにかくドン底まで行って耐えられる限界まで悩んでみるのもありかもしれません。その後、ふと我に返った時、もしかしたら自分自身凄く強く、そして悩んだ分、優しさも理解できる人間に成長しているような気がします。そしてなんであんな事で悩んでいたんだろう…と思ったりもします。だって、何処まで行ったって1番信用できる「自分」という人間が離れずにいるのですから…。雨降って色んなことがあって大変だったけれど地固まるし虹も出るよ…。地が固まりかけてびちゃびちゃの地面から泥のようになりかけてくる…その辺りで「ああもう私は大丈夫」とわかる私は結構その道の達人かもしれません。今日お届けの曲はLarry Carlton のアルバムAlone/But Never Alone からの一曲です。彼のギターは何を聴いても格好良い中に優しさを感じますが、特にこのアルバムは彼の人間性も表れている優しさ溢れる一枚です。その中からアルバムタイトルにもなっている『Alone/But Never Alone 』。直訳したら、、孤独/でも決して孤独ではない…。今日はLarry のギターに包まれて…あなたの優しさを穏やかに見つめている神様はいます。ほんの少しの時間でもあなたに幸せを感じるひとときが訪れますように。。。

大学時代からいろんな場所、様々なシチュエーション、内容でピアノを演奏し続けてその延長でいつしか本業となり、それで生活をして(なんてふざけた人生をやってるんだ…と言われそうですが)現在に至っている私にとって、趣味…というものが特に何もなく(音楽というものは、もはや趣味の範囲からは外れている訳で)ある意味物凄く限られた中で生きているようなものなのですが、、、自分にとって好きなもの、好きな事…というのは少ないですがあります。そのひとつとして子供の頃からずっと「本を読むこと」というのは大好きで、考えてみると本を読む事でその時の自分と対話している…そんな過ごし方していることも好きな人間なのかな、、と思ったりします。最近は長編を読む事がなかなかできず短編集や詩集を読んだりしていますが、その時その時の感情で読む本、読みたい本も違い、やはりそういう事を考えても本は自分との対話だな、と思うのです。ドストエフスキーの『罪と罰』を読み終えた時は人間の正義と卑劣、善良と残酷、強さ弱さ、色んなものが入り混じって私を含めた人間というものの愚かさ…でも生きるために日々過ごしている…なんとも言えない気持ち、これは夏目漱石の『こころ』の読後感にも言えることなのですが、こうした中で生きていく事が人生なのか(『こころ』は生きる事が苦しくなり自殺を選んでいますが)…。色んなことを考えます。9月に入り秋が深まってくる頃から特に本は読みたくなります。そういった意味ではこれからの季節は私にとって五感を刺激する素敵な季節です。愚かな自分も受け入れながら生きていく、、それが自由を与えられた私達人間の背負った責任であるのかもしれませんね。今日は、Chet Baker Trio の『My Foolish Heart』、Chet の晩年の作品ですが切なさと美しさが入り混じるサウンドは『罪と罰』を読み終えた時に聴きたくなった一曲です。あなたにも私の想い、伝わると嬉しいな…。この曲と一緒に素敵なひとときがあなたに訪れますように…。

最近、熊による被害で亡くなった方や大怪我をされた方等のニュースで知り、複雑な気持ちです。特に私は熊の駆除を反対する活動をしている訳でもないし、人間を餌と捉えてしまった熊を人間の命を守るために駆除するのも仕方ない事と思う派です。只、自然界に生きる動物達の住処、所謂人間で言うのであれば「人のお家の敷地」に入ってまでいくことは、対人間であれば当然警察沙汰になり下手をすれば逮捕…ということになる立派な犯罪な訳です。私自身、20代前半の時、海が好きすぎてどうしても海の中の少しでも深い世界を知りたい…という思いでダイビングのライセンスを所得しました。しばらく、取り憑かれたかのように海に潜りにいき、仕事で演奏をしているかピアノの練習をしているか海に潜っているか…その繰り返しの日々の時もありました。でも、ある時、ふと思ったのです。タンクを背負って潜る私を海にいる生き物達は歓迎してくれているのだろうかと。もしかしたら海の仲間たちと同じように素潜りで行けるところまでが私に許された自然界の範囲なのではないかと。。。そんな事を考え始めたら、タンクを背負って潜る事に物凄く罪悪感を感じ(しかも遊びとして)今では海に潜ってもシュノーケルで行けるところまでです。そしてあくまでも人のお家にお邪魔させていただく…という気持ちを持ちながら。私の大好きな映画監督Luc Besson の作品のLE GRAND BLUE 、この作品を初めて観た時はいろんな意味で衝撃的でした。海を愛して、そこに生存するイルカを愛している監督の思いが切ないほどわかり、共感し、観終わった後の思いは優しさと愛に満ち溢れた気持ちで一杯になり…。私なりの思いで自然やそこに生きる生き物達を守る事を考えて行動していきたいと思っています。音楽に於いては、この作品をはじめLuc Besson 監督の作品はほとんど担当しているEric Serra 。フランス出身の作曲家でありミュージシャンです。彼が創り出す音の世界はLuc Bessonの映像の世界をさらに深く神秘的にさせる…。ストーリーも映像的にもサウンドも、全てに於いてこのLuc Besson & Eric Serra の作品は私の感覚を研ぎ澄ましてくれる…そんな感じです。LE GRAND BLUE からの一曲『The Big Blue Overture 』、眼を閉じて聴いていると海の神秘的な世界、海中にいるような気持ちになります。。そしてその美しい神秘的な世界を守っていくのは私達人間である…そう思うのです。。。今日も物凄い暑さですね。熱中症に気をつけて、あなたにとって8月最後の素敵な週末になりますように…。

去年の夏は私にとって海はとても身近な存在でしたが、今年の夏はずっと都会中心の生活でコンクリートジャングルの中での日々でした。とはいえ、都会で仕事をしていると目まぐるしい程の刺激が浴びるようにあり、これはこれで私にとってのエネルギー源になり人間というのは上手く出来ていて、その環境で生きていく力を神様は与えてくれているのかなあ…と思ったりもします。自分が壊れそうになる…という言葉が現代の社会で言われていますが、それは自然界の中であろうが都会であろうが理由はその人その人にある訳で、何処にいても起こりうる事であると思うのです。自分でバランスをとりながら生きていきたいですね。と、言いながらもやはりしばらく遠のいている海を思うと逢えない恋人に逢いたい気持ちと同じような切ない想いにかられます。夏の終わりの今の海はどんな表情をしてるかな…と思ったりします。仕事が終わったら今夜は車を走らせて海まで行ってみよう…海に浮かぶ月は見れるかな…そして、こんな季節のこんな夜にはQuincy Jones のバラードが似合う。幸と虚の間の揺れ動く感覚、そして夏の終わりの夜の海、、、Quincy プロデュースの名曲『The Secret Garden 』と共にね。あなたにもこんな感覚が伝わったら嬉しいな…と思います。ちょっとお洒落にちょっと気取って…そんな静かな夏の夜の穏やかなひとときがあなたにも訪れますように…。

8月も終わりに近くなってきました。あなたにとって素敵なストーリーができた夏だったでしょうか。夏の終わり…というこの言葉の響きは、何処か切なく感傷的な世界観をもたらすニュアンスがありますね。そんな心の動きがある季節だからか、、、ちょっと切なく、でもお洒落なLoveバラードが聴きたくなります。今日お届けの曲は、FOUR PLAY というバンドのアルバムからの一曲です。このバンドは、Bob James 、Nathan East 、Lee Ritenour 、Harvey Mason の4人による所謂オールスターバンド。この後、ギターはLarry Carlton に変わったり等はありますが、今回は初期のアルバムからです。音質、groove感、最高なバンドで、特に私はHarvey Mason のドラムプレイ、アプローチ、音質が初めてジャズ、ファンクを知った時から凄く好き。。。このアルバムのさりげないgroove感は彼のドラムも一役いや、キーポイントになっているのかな…と思ったりします。全ての曲がカッコいいのですが、今回は、まさに今の季節だからこそ似合うバラード『Between The Sheets 』をあなたに贈ります。まさに恋人とのひとときを歌ったLoveソングですね。Chaka Khan & Nathan East がヴォーカルをとっています。cool & stylish …この表現が素敵に似合う…。あなたにとって、素敵な夏の終わりのひととき、穏やかな週末になりますように…。

まだまだ暑い夏ではありますが8月も終わりに近くなってきました。先日、仕事が入っていないお休みの日だったので、買い物に出かけたらもうショップにはハロウィンのグッズが並んでいて、ああ…そっか、もう暦の上では9月になったら秋だな…とあらためて感じた次第です。ハロウィンの声を聞き始めたらそこからはクリスマス、ニューイヤー、と速い速い…。あっという間に時が過ぎていきますね。地球温暖化のせいで暑さはまだ続きそうですが、やはり、8月下旬、夏の終わり、という言葉の響きが切なさを感じさせます。これからの季節は、日中の暑さは厳しくても徐々に夜吹く風は秋を感じるようになってくるのでしょう。夏の終わりは秋の始まりでもある訳で紅葉や様々なイベントは楽しみのひとつでもあります。でも、なんかやっぱり夏の終わりの今の時期はぽっかり穴が空いたような淋しさ、切なさを感じてしまう…。と、色々考えながら店頭のお洒落なハロウィングッズを手に取った私です。今日あなたにお届けの曲はChet Baker の絶頂期に録音されたアルバムChet Baker in Paris から『Tenderly 』。この時代のChet の音色、フレーズは暖かく明るさ優しさを感じます。晩年期の演奏も勿論、素晴らしいのは当然ですが、この時代と晩年期とは音色が全く違う。。。夏の終わりの切なさにはこんなChet の暖かい音色が似合う…。今夜は、あなたの夏の思い出と共にChet のトランペットに聴き入ってみてくださいね。素敵な夜のひとときになりますように。。。