4月になりました。いろんなことがスタートする季節ですね。今月も素敵な日々にしたいな…と思います。巷ではストリートピアノの件で色々と物議を醸し出している、というニュースを知りました。少し情報を得てみると…なるほど、と思ったり、、、う〜ん難しいところです。音楽、音、というものは素敵な気持ちにさせてくれる反面、ひとつ間違えたら騒音…!という世界をもたらしてしまうものであり、私達プロとしてお金を頂き演奏しているミュージシャンにとっても付きまとう課題です。ロックやJ-POP のようなジャンルならまだしも、私のようにピアノソロ、ピアノトリオ等のコンボスタイルで仕事をしているミュージシャンは仕事内容によっては静かに心地良い音量でいかにお客様を満足させられるか…常日頃取り組んでいる大きな課題です。私自身がシンプルでさりげないアプローチ、音量、にこだわるサウンドが好みなのでこれからも追求し続けていきたいところです。まあ…とはいえ、ストリートピアノで演奏したい、と参加されている方々はアマチュアであり、そして音楽を愛するとっても素敵な方達なのですから、好きに演奏するのも悪くないのでは…好きに演奏したらいい…とも思ったりもしますが…。さあ、今日の曲は、Pat Metheny のギターソロアルバムDream Box からの一曲です。彼はバリトンギターソロのアルバムも何枚かあり、そちらも私の大好きなコレクションですが、このアルバムはエレクトリックギターをアコースティックギターのように静かに弾くにはどうしたらいいか…という拘りの中で作成したそうです。さすが、、Pat Metheny の手にかかるとエレキギターの音色もとろけるような甘いサウンドになり、でもエッジの効いたビートも心地良い。こんなサウンドこそ目指したいところです。4月のどんよりした曇り空が何となく似合う心地良い抜け感も最高。今日はそのアルバムの中から『Never Was Love 』をあなたに贈ります。あなたらしく素敵な春を迎えてくださいね。

3月も後半になり春の風が吹きはじめています。花粉症の方は大変な時期ですが、やはり木や花、鳥たちの鳴声、春を感じる空気がいっぱい溢れているのはそれだけで幸せな気分になりますね。車が大好き、運転が大好きな私にとってはふらりとあてもなくドライブに出かけたくなります。どの季節も運転中に見える景色は私に様々な刺激とインスピレーションを与えてくれますが、やはり、冬が過ぎて春を迎える今の時期は自然界も街の表情も明るくなり心を穏やかにしてくれます。今日は私がドライブ中によく聴いている一曲のお届けです。イタリアのミュージシャン、Paolo Fedreghini & Marco Bianchi のアルバムSeveral People から『Theme Of Solitary Notes 』。イタリアのクラブシーンで活躍するミュージシャンです。ダークな中にメロウでモダール的なサウンド、ヨーロッパの中で出来上がってきた現代ジャズ…というのか、とにかくクールなお洒落さに初めて聴いた時からずっと虜になっています。一人で運転に集中してドライブを楽しみたい…なんて時は必ず一緒に過ごすサウンド。素敵な春に向かって気分も上げて過ごしていきたいですね。楽しく明るく…そんな春がもうすぐそこ。Let’s enjoy spring !

今日は春らしいお天気になりました。こうして寒い暖かいを繰り返しながら春はやってくるのでしょう。私達人間が嬉しいように、きっと植物も虫達も鳥も全ての生命体が喜んでいるのかな…と思うとちょっとワクワクした気分になります。今日はあなたに素敵なモダンジャズを贈ります。Nat Adderley 作曲の『The Old Country 』。なんと言っても本当に素晴らしいメロディですから様々なミュージシャンが演奏していますが、やっぱりNat Adderley Quintet のこのヴァージョンが私は一番のお気に入りです。初めて聴いた時は、とにかくこのメロディに心を奪われました。一目惚れ、と言うのはこんなこと…という感覚です。哀愁漂うこの旋律は私自身がピアノで弾いていても全ての想いをのせられる、そして、この旋律にその時の想いをのせていろんな場所で今も演奏し続けています。Nat Adderley はコルネット奏者で、お兄さんのCannonball Adderley がスターでありすぎたせいかあまり世間では語られていませんが、素晴らしい曲を作り、派手さはないものの素晴らしい演奏を私達に残してくれています。少なくとも、私はNat Adderley の『The Old Country 』に恋した一人。モダンジャズ…の素敵さを言うのならこれこそハマりすぎ、という位の傑作なのではないかと思います。さあ、今日は春の訪れを待ちながら素敵なこのモダンジャズに聴き入るひとときをあなたに。。。Nat Adderley Quintet 『The Old Country 』

3月も後半になりかけた今も寒い日々です。全国的にこんな感じのようですが風邪をひかないように気をつけましょう。寒さはありますが、日の長さを夕方あたりにふと思うとやはり春は近くにいるのかな…と思ったりします。今日はKenny Burrell のアルバムのお届けです。彼のエレキギターの格好良さは言うまでもないのですが、このアルバムはアコースティックのギターも使用していて、その乾いた音色が、夜、静かな砂漠で月明かりに照らされている中に一人佇んでいる…そんな世界に連れ出してくれます。Kenny Burrell の傑作アルバムは数多くある中で、このアルバムは派手さこそないものの秘かな傑作です。今回はその中からの一曲、アルバムタイトルにもなっている『Moon and Sand 』をあなたに…。乾いて淡々とした砂漠のようにテーマが始まり、そこから繊細で流れるようなギターソロでもっともっと私の心の奥底にある深い空間に連れ出してくれます。。そのソロに寄り添うような甘いパーカッションの響きが切なくでも美しい。。。春の肌寒い月明かりの中で自分ともう一人の自分が語りあっている…そんな不思議な気分になります。こんな時間も私にとって大好きなひととき。。。あなたにとっても素敵な春の夜のひとときになりますように…。

中原中也の詩、特に初期の頃の作品は様々な事に疲れたり不信感に陥った時に私を人としての原点に連れ戻してくれます。初期、とは言っても中原はわずか30年の生涯であり、こんなに素晴らしく魅力的な詩人でありながら2冊の詩集しか残していません。疲れていて何もかも人間的欲に走りがちになった時、彼の残した作品『春の夜』『秋の一日』…素敵な詩をどんどん読み進めていくとその先には、子供の頃、夜空を見上げて言葉にならない不思議な感じになった自分に出会います。中原中也の世界と一緒にKurt Rosenwinkel のアルバムStar of Jupiter の浮遊感、躍動感に浸っていると心から優しい気持ちにさせてくれて様々な人間欲の塊の中から脱出…息を吹き返してホッとした自分がいます。頑張りすぎて人や都会の波に飲み込まれることのないように自分を見失わないで生きていきたいですね。今日はあなたにKurt のアルバムStar of Jupiter からの一曲『Deja Vu 』を贈ります。無重力感の中でKurt のギターが甘くキラキラと跳ね回る…そんなDeja Vu 感に包まれて過ごすひととき…最高です。穏やかな夜に…。

3月というのにまだこの寒さ…。とはいえ、確実に春に向かっているこの季節、groove溢れるサウンドにのって出かけたくなりますね。今日は、Herbie Hancock のアルバムMan-Child からのお届けです。やっぱり私にとってのfunk の原点はHerbie Hancock です。言うまでもなく、ジャズピアニストとしても素晴らしいミュージシャンですが、ジャズピアニストのHerbie から繰り広げられる音楽史改造、、とでも言うのか新しい音楽感を発展させた、JB とはまた違うgrooveの世界観を創り上げた人かと思います。初めてアルバムHead Hunters を聴いた時の私の感動は、すごい…の一言でした。今回のお届けの曲は、そのHead Hunters からさらに発展させてリリースされた一枚Man-Child から『Sun Touch 』。funk のgrooveの決め手ともなるリズムセクション、ドラム&べースに痺れます。そこにHerbie をはじめレジェンド達の演奏が乗れば、もうたまらなく最高です。さあ、春に向かって笑顔で過ごしていきたいですね。ジャズマンHerbie Hancock から創り出されたからこその格好良さ、Swing とFunk 、ジャズとエレクトリックミュージックどちらも混在し活動を続ける彼はまさに巨匠です。Herbie からfunkyな格好良さとエネルギーを頂きながら…あなたにもアグレッシブな春がやってきますように…!

坂本龍一氏のアルバム「Out of Noise 」の世界観がとても好きです。生きているこの世界は「音」に満ち溢れています。生活音もあれば自然界の季節によって変化する音、音楽として作られた音、私達の会話も音のひとつ、そんな様々な音に包まれている事をNoise と解釈すると、このアルバムに於いての坂本氏のそれは音の乱れ、騒音等を指すのではなく「自然と共存する音楽」という世界観を見出そうとしたのではないか…。と思ったりします。音には必ず響きが伴い、この響きを大切に扱い表現されたものが素晴らしい音楽という一つの表現になるのではないか…。私はピアノに向かう時、いつも思っていることです。自然界にも素晴らしい響きがたくさんあります。風の音、海や川の水の音、鳥の鳴声、、、理論的な思考や人間によって作られた美しさを超えたところにある『美』、それこそが一番の安らぎの音なのかもしれません。このアルバムを聴くたびに、美しい響きを奏でられるピアノ弾きでいたい…と思います。さあ、今日あなたにお届けの曲です。その坂本龍一氏のアルバムOut of Noise の中から『hwit (白whiteの古典的な表現)』。因みに、、教授は『peaceful of mind (安らぎ)』について「いろいろあるけれど、やはり真の安らぎとは死なんだろうね」と答えていました。Out of Noise というアルバム、私の奥底にある感覚を刺激し、美しさや高揚感の原点にあるものを今一度教えてくれる魅力的な作品です。素敵な安らぎのひとときがあなたに舞い降りてきますように。

Roberta Flack が亡くなりました。彼女の代表曲の一つでもある、この『Killing Me Softly 』は何もわかっていない子供の頃エレクトーンのレッスンでこの曲を聴いて、なんて素敵で格好良い曲なんだろう…と感動し、(当時、私はピアノと同時にエレクトーンもやっていましたので)リズムボックスと一緒に色々と工夫して(コード展開やリズム展開とか)演奏していた懐かしい曲です。実際にRoberta Flack を知ったのは私も大人になり、様々な音楽に触れる中「ビッグスターRoberta Flack 」としてですが、ジャズもソウルも歌いこなす偉大なるシンガー、あらためて今聴いても彼女の歌声はソウルフルな中に優しさを感じる世界観があります。久しぶりに聴いていると彼女の歌声、バックメンバーのジャズミュージシャン達のお仕着せのない演奏、、、そんな空気が優しい気持ちにしてくれます。『Killing Me Softly 』、よく仕事で私自身演奏していますが、Roberta Flack に想いを込めて今日も演奏させて頂こうと思います。あなたにも届きますように…と思いも込めて…。R.I.P Roberta Flack …。

音楽情報サイトでPaul Weller のコメントを目にしました。Paul Weller を私が知ったのは、The Style Council のリーダーの時代で、とにかくお洒落でカッコいいイギリスのバンド…という、何もかも素敵(に見える)な大人の世界に憧れる年頃の時でした。Paul Weller …懐かしいなあ、、と思い現在の彼を久しぶりにネットで知りましたが、やはり歳を重ねてもカッコよさは変わらず今はソロで活動されています。思い出せば、、、The Style Council のこの曲を流しながら車を走らせる大人になった自分の姿を想像しながら青春期を過ごしていたな…。大人になった今の私は、車を運転して窓から見える景色やその時に流れる音楽、一人きりの空間、運転に集中するその感覚、全てが好きで、車は趣味、というのかなくてはならない自分にとっての一つの大切な宝物です。その青春時代に想像していた事が叶って(こんな感じで自分にとっての小さな憧れは結構身近なものだったな笑…と思ったりもします笑)愛車と共にリラックスタイムを過ごし、そこでいろんなインスピレーションが生まれたりして今の自分が作られている気がします。なかなか、遠出はできませんが、ちょっと夜の一人ドライブ…というのも好きな時間。久しぶりにThe Style Council をバックに車を走らせてみようかな…。そんなことで、今日はあなたにこの曲をお届けです。The Style Council の『My Ever Changing Moods 』。今日も寒いです。風邪ひかないように過ごしてくださいね。

カズオ・イシグロさんの書く世界が好きで数年前からよく読むようになりました。長編を読み出すとその期間はその世界に入ってしまい今の自分とのバランスがとれなくなる程取り憑かれてしまうストーリーもありますが彼の表現する描写、展開は私に心地良い刺激を与えてくれます。最近は長編を読む時間がなかなか取れない中、素敵な短編集に出会いました。『夜想曲集』という音楽をテーマにしたストーリーが綴られています。その中で、「ラジオからChet Baker の『I Fall in Love Too Easily 』が流れてきた…」というシーンがあり、私自身仕事でよく演奏している名曲ですが、久しぶりにChet Baker を聴きたくなりました。シナトラで有名な曲ですが、私はChet のこの気怠さと切なさが相まったトランペットと歌声が私の心を揺さぶり…苦しくなる儚さ、、とでもいうのか、そんな世界観がとても好き。今回は、1953年にリリースされたものと、1988年生前最後の作品をあなたに贈ります。最後のChet はホテルの2階から転落して亡くなり、体内からはヘロインとコカインが検出されました。享年58歳。彼の人生は悲しいものだったのか、或いは彼なりの様々な幸せに満ちたこともあったのか…。当時のジャズマン達の人生は本当に切ない。素敵な名曲、Chet Baker の作り上げる『I Fall in Love Too Easily 』の世界。そっと一人で静かな夜に聴いてみてください。穏やかなひとときになりますように…。