JAZZ界を代表する偉大なる作曲家そしてサックス奏者のBenny Golson が先月末に亡くなりました。享年95歳でした。Benny Golson といえば『I Remember Clifford 』『Killer Joe 』等の名曲の作曲者で、スタンダードナンバーとして私達ジャズを演奏する人間は彼の曲を当たり前のように演奏させて頂いています。スモーキーだけれど甘い音色、一度聴いたら忘れられないメロディと洗練されたコード、演奏家としても作曲家としてもこの時代(1950年代)トップのミュージシャンの一人だったと思います。この時代…とは言いましたが、、現在の時代においてもなんの衰えもないサックスの音色、アプローチ、、まさに音楽のために生まれてきて、音楽のために生き抜かれた…素晴らし過ぎる巨匠です。代表曲はありすぎて選べないほどですが、今夜は心地良い秋風と共に月を眺めながら彼のアルバムをずっと聴いて過ごそうかな…。そして、あなたに今日はこの曲をお届けします。彼の最後のスタジオ録音アルバムHorizon Ahead から『Horizon Ahead 』。リリース当時、87歳という年齢など感じさせないサックス演奏、叙情的で切なく私の心に語りかけます。彼のインタヴュー記事で見た作曲家としての語りです。「自分の心で感じたことを書かなければならない。人々を喜ばせるために書くことはできない。自分が感じていることでなければならない。そうでなければ全てが無意味になって、嘘になってしまうんだよ。自分に正直でなければならない…」その記事を読んで彼の音楽感そして人間性を知りました。Benny Golson のサックスには魂の囁きを感じます。その彼から産まれたメロディは彼の優しさ強さと共に私の心に響いてくるのです。月の綺麗な季節、Benny Golson の残してくれた素敵なサウンドと過ごす贅沢なひととき…いろんな事に感謝の思いを込めながら。