日本人の誇りとも言える秋吉敏子さんの素晴らしさは語るまでもなく素晴らしいジャズピアニストですが、あらためて聴くと本当に彼女の力強い演奏に感動します。時代背景から言ってもビバップ全盛の時代、所謂、Charles Parker 、Bud Powell と同じ時代に同じ舞台で生きたジャズピアニストです。秋吉敏子というレジェンドは半端ない様々なものを乗り越えてピアノを弾き続けてきたのであろう…この時代の女性は精神的にとても強い…とは言われているものの更にジャズという音楽の世界の中ですから、カッコいいなんて軽い表現すら本来は出来ないのですが、彼女の特に30代の頃の演奏等は、、ごめんなさい…とにかく格好良すぎてそれ以外の言葉がみつからないのです。彼女の30代という時代は苦しみや悲しみもあったでしょうしそれを乗り越えてきた努力は語りきれないと思います。現在95歳、先月日本公演のために来日して今も尚変わらずの情熱的な演奏をされました。この凛とした生き方、ピアノ演奏、感性は日本人としてそして女性として、そしてなんと言ってもピアニストとして私の憧れであり、少しでも(できる事なら…ではありますが)近づきたいと思います。久しぶりに聴いた『Long Yellow Road 』、やはり感動です。この曲は、満州の土煙の道と黄色人種の自分が長く険しい道を歩む決意を重ねた、自分の人生を象徴する曲…と語られています。満州からの過酷な帰国等、現代を生きる私達には計り知れない思いで生き抜いていらっしゃった…。今日お届けの曲は『Long Yellow Road 』、ジャズを愛し、音楽を愛する日本人の心に生き続ける名曲です。彼女の強さ優しさ、色んな事が演奏を通して伝わってきます。力強く情熱的な演奏…きっとあなたに様々な力をもたらしてくれます。秋吉敏子の素晴らしいピアノと一緒にあなたに素敵な秋の夜のひとときが訪れますように。