子供の頃に「大きくなったら何になりたい?」と聞かれると「野良猫になりたい。。」と答える不思議な子でした。私にとっての野良猫は自由を手に入れた、まさに最高の自由人であり、当然そこに危険は伴いますがそれは何処にいても絶対的に安全な場所などなく(日本だって過去には戦争があったり、現在では災害の危険もあったり、あと、とても悲しい事ですが、、、自ら命を絶つ程の苦しみにあっている人もいたり…)自分を自らの責任の中で守りつつ自由に生きて行く、というのは子供の頃から何気に私の中では目指す方向性だったのかもしれません。そのせいか或いはたまたまか…私の職業、というか生業は「ピアノ弾き」という典型的自由業…仕事がなくなったら廃業、という考えてみたら恐ろしい職業ですが、なんだかんだとありがたく生き続けられている事はまさに奇跡であり、感謝しかありません。とは言っても、、、そんな中でもやはり野良猫ちゃんのような自由さ…というのは私にとってはずっと憧れであり、持ち続けたい生き方、というか、私らしくいるにはやっぱり必要な感覚なのですね。。。勿論、自分の責任のもとでね…。今日の曲は坂本龍一の『Bibo no Aozora 』美貌の青空。綺麗な日本語だなあ…と思います。哀しいほどに美しいメロディ。そして、なんといっても教授の演奏は、感情に任せてピアノを叩かない。でもしっかりとしたタッチで繊細な旋律を生み出す。良い意味で自分を抑え抑え、その胸の内を代弁するかのようなピアノでの表現。このタッチ感や感情表現は私の目指すところです。野良猫ちゃん達も今日のような秋空を見て感動しつつ、フラリ気ままに過ごしているかも…と思うとちょっと羨ましい…。なんて思いながら道行く野良ちゃんに話かけたりする私です。坂本龍一『Bibo no Aozora 』。空を眺めて美しいと感じる感覚を失わないでいることは、優しくいられることと共存していると思います。秋空の美しさと共にあなたにも優しさに包まれた空気が舞い降りてきますように…。