10月も後半になり秋も深まってきました。何故か秋はちょっと物寂しさも手伝って日常あたりまえのように聴いている音もなんというのか…、ある意味冴えて響き渡り、叙情感が増して聴こえてくるような気がします。ふらりとひとりで何処かへ旅に出かけたくなる…そんな旅情を掻き立てられる…季節です。今日お届けする曲は、そんな時に私がよく聴いているアルバムで、Kenny Drew Trio の『Impressions 』。邦題では『パリ北駅着、印象』と素敵なタイトルにもなっています。Kenny Drew のピアノは、ブルージーなノリで迫ってくるような素晴らしく小気味良いフレーズの中にクラシック的なエッセンスが潜む気品のあるサウンド、大好きなピアニストの一人です。こうして聴いていると、やっぱりDrew のピアノの音色は秋が似合う。深まりゆく秋の風、ちょっと切ない心、と同時に掻き立てられる叙情…この季節の風情を彼のピアノと共に静かに堪能してみてくださいね。そして、彼の生涯の相棒となったベーシストのNiels-Henning Orsted Pedersen と会話をしているかのようなアプローチ、Kenny Drew Trio の傑作です。あなたにとって素敵な秋のひとときになりますように…。