『本』を読む、という事は自分との対話…

大学時代からいろんな場所、様々なシチュエーション、内容でピアノを演奏し続けてその延長でいつしか本業となり、それで生活をして(なんてふざけた人生をやってるんだ…と言われそうですが)現在に至っている私にとって、趣味…というものが特に何もなく(音楽というものは、もはや趣味の範囲からは外れている訳で)ある意味物凄く限られた中で生きているようなものなのですが、、、自分にとって好きなもの、好きな事…というのは少ないですがあります。そのひとつとして子供の頃からずっと「本を読むこと」というのは大好きで、考えてみると本を読む事でその時の自分と対話している…そんな過ごし方していることも好きな人間なのかな、、と思ったりします。最近は長編を読む事がなかなかできず短編集や詩集を読んだりしていますが、その時その時の感情で読む本、読みたい本も違い、やはりそういう事を考えても本は自分との対話だな、と思うのです。ドストエフスキーの『罪と罰』を読み終えた時は人間の正義と卑劣、善良と残酷、強さ弱さ、色んなものが入り混じって私を含めた人間というものの愚かさ…でも生きるために日々過ごしている…なんとも言えない気持ち、これは夏目漱石の『こころ』の読後感にも言えることなのですが、こうした中で生きていく事が人生なのか(『こころ』は生きる事が苦しくなり自殺を選んでいますが)…。色んなことを考えます。9月に入り秋が深まってくる頃から特に本は読みたくなります。そういった意味ではこれからの季節は私にとって五感を刺激する素敵な季節です。愚かな自分も受け入れながら生きていく、、それが自由を与えられた私達人間の背負った責任であるのかもしれませんね。今日は、Chet Baker Trio の『My Foolish Heart』、Chet の晩年の作品ですが切なさと美しさが入り混じるサウンドは『罪と罰』を読み終えた時に聴きたくなった一曲です。あなたにも私の想い、伝わると嬉しいな…。この曲と一緒に素敵なひとときがあなたに訪れますように…。

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