ちょっと疲れが溜まったときや色々と行き詰まったとき、頭から離れなくてずっと私の中で流れている…というのが何曲かあります。この曲もその中のひとつ、Bill Evans の『B Minor Waltz 』。物凄く心も身体も限界だったある日、夜一人で車を走らせてずっとずっと繰り返し聴いていました。この曲は美しくもあり悲しく切ない。実際、彼と離婚直後に自殺した元妻エレンに捧げた曲です。ピアノが泣いている、時には激しく…ああ私は何なんだろう、と思いながら運転に集中し暗い夜の闇を走りながら考えたりしても答えも出ず、でもずっとずっと繰り返し聴きながら静かに一人で走り続ける。その後、あ〜、やっぱり家に帰ってピアノを早く弾きたい、と思う自分がいる。悲しさと共にそれ以外の沢山の感情を刺激されて、またピアノに向かう私。ピアノ、という楽器はどこまで行っても私にとっては共に生きる厳しくも優しいパートナーなのかもしれない。。と思いつつ『B Minor Waltz 』をエンドレスに聴いて家に着き、温かいココアを作って飲んでいたら、やっぱり生きていたらいろんな事があったりして、それが楽しい事だったり悲しい事だったり…それが人生なのかもしれない…と妙に納得している自分です。私はそんな事を教えてくれるBill Evans の作る旋律やピアノの音色が好き。晩秋の今の季節、あなたにもこの美しさと儚さが相まった思いが届きますように…。