孤独と虚しさは違う…。『百年の孤独』を読み終えて。

ガルシア=マルケスの百年の孤独を読み終わりました。話題の本であったので読みかけの本と並行して読んでいこうと思っていたのですが、思わず引き込まれてしまい読みかけの方は中断して彼の描き出すマコンドの世界に入り込みました。人は優しさや美しさもあれば、欲望から生まれる汚さ、裏切り、快楽を得ても残る孤独感、、そしてずっとは続かない現実、諸行無常。そんな思いをガルシア=マルケスによって現実と非現実の間を行き来しながら描かれていく世界は思わず引き込まれてしまいます。私達人間は一体何を求めて、何処に向かっているのか…、もちろん人の数だけそれはあり、人それぞれなのですが、最後は自分ひとりであり孤独という世界観と共存しながら生きていかなければならないのも私達人間に与えられた宿命なのかな…と。でもやっぱり私達人間は人を愛し、時には傷つき、、激しい孤独に落ち入り…、でもまた誰かを愛してしまう。でもこんな事がある意味幸せなのかも。無限でなく有限な人生の中でそんな事を繰り返しながら時は過ぎていく。もちろん、彼の表現にはラテンアメリカで起きた事の歴史的背景もあり、そんな中で孤独感という想いが生まれてきているのでしょうが、実は今の時代においても違う意味での孤独感を感じながら日々私達は過ごしている、やはり『時代』というよりも人間という生き物の性質なのかもしれません。そんな人間の本質や人生感、それを彼の独特な世界観から生み出されるこの小説は人間臭さと愛情を感じるARTの世界観でいうならばシュルレアリスム的な作品です。のめり込んでしまいました。そんなところでほっと一息、言わずと知れたR&B の名曲『Just the two of us 』を聴きながらのひとときです。Grover Washington Jr.が1980年にリリースしたアルバムからの一曲。読書の後いろんな事を考えながら聴いているとBill Withers の歌声とGrover Washington Jr.のサックスが優しく包み込んでくれます。そんな思いをあなたにも…。

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