今年の秋冬の到来は遅い、とも言われていましたが10月も後半に迫った現在、肌寒さを感じる風が吹き始めました。ちょっと油断すると風邪をひきそうな季節ですね。出かける時は上着を羽織って行く時期、秋の装いを楽しむのも嬉しい…。夏に吹く風とはまた違って秋の風は寂しさも感じるけれど澄んだ香りもします。そんな事を思いながら、今日お届けの曲はピアノ&ギターのDUO 、Geri Allen とKurt Rosenwinkel のアルバムの中からの一曲です。ピアニストのGeri Allen は、2017年に亡くなったアメリカの偉大なるピアニストで、60歳という若さで大活躍中だったにも関わらず癌で呆気ない程あっという間に亡くなりました。その彼女とKurt Rosenwinkel が10年程前に共演したライブ音源がリリースされた作品です。繊細なタッチで溜息が出る程に美しく息の合ったギターとピアノが絡み合っています。そのアルバムの中からThelonious Monk の『RUBY MY DEAR 』。美しさと同時に緊迫した音の会話はまさに秋の孤独感と美が似合う…そんな感じです。激しく破壊的な演奏を聴かせてくれるKurt のギターも最高ですがこんなふうに対話をするような優しさを感じるギターも素敵。Geri のピアノはとにかくかっこいい。音楽においてとても厳しい方だったという事ですが、こんな繊細な音色を奏でるピアニスト、きっと優しさと強さが共存する方だったのかな…と思ったりします。さあ、今宵は秋の風に吹かれながら最高のJazz Duo に酔いしれてみてくださいね。風邪をひかないように暖かくしてね…。