今日はBill Evans のアルバムの中からの一曲です。『New Conversations 』の中から『Remembering The Rain 』。私自身、ピアノソロの時によく演奏しています。Evans のソロピアノが好きです。彼の破滅的な人生を思うと切なく何とも言えない気持ちになりますが、そんな切なさ寂しさを『音』にしたようなサウンドがあまりに美しすぎて聴きいってしまいます。雨はいろんな風情を創り出してくれます。降り始めた時の匂い、葉っぱに落ちた雫、傘にあたる音…どれも自然界の中に自分がいることを感じさせてくれる大好きなひととき。この曲はそんな雨が似合う。彼のソロですが、実際には多重録音というEvans の新たな世界を開いたアルバムです。1978年の作品。きっと彼にとっては精神的にも肉体的にもきつい状況だった時かと思います。そんな想いも演奏にぶつけているのかもしれない…彼の晩年期のサウンドは本当に切ない。でもきっと彼にとってピアノという存在が最後まで生きがいであり、心から打ち解けあえる友人だったのかもしれません。この曲を聴きながら色んなことを考えてしまいました。しとしと降る雨を眺めながらゆっくり聴いて下さいね。素敵な時間が流れますように…。